ED治療薬の効能

ED治療薬は、男性が勃起機能を回復し、性行為を満足に行えるようサポートするための薬です。これらの薬は、主に陰茎の血流を増加させることで、勃起を促進します。代表的な薬剤には、シルデナフィル(バイアグラ®)、タダラフィル(シアリス®)、バルデナフィル(レビトラ®)があります。

勃起するには脳から指令を受けて性器に信号が伝達されます。
そして性器の血管を拡張させるためのcGMPという物質が放出され、血管が拡張して性器の海綿体に血流が流れ込むことで勃起が起こります。

やがて興奮が治まるとPDE5という酵素が出てきてcGMPを分解することで勃起が収まっていきます。

 

しかし、EDの場合は、何らかの原因でPDE5が過剰に活性化し、勃起を維持するために必要なcGMPが急速に分解されてしまう状態です。

ED治療薬は、共通にcGMPを破壊するPDE5の働きを阻害して血流を良くする働きがあるため、EDに効果を発揮するようになっています。

ED治療薬一覧(主な注意事項)

ED治療薬一覧(主な注意事項)

引用:ED薬の各製薬企業の医薬品インタビュ‐フォームから作成

ED治療薬の種類

ED治療で用いられる治療薬は、「バイアグラ®」「レビトラ®」「シアリス®」の3種類です。
いずれも勃起を補助する薬であり、EDに効果を発揮します。
それぞれの薬は効果が同じように思われますが、特徴はそれぞれ異なります。(一般名)

  • バイアグラ®(シルデナフィル)

バイアグラは、ED治療薬の中で最も広く知られている薬で、陰茎の血管を拡張し、血流を増加させることで勃起を促進します。服用後30分から1時間で効果が現れ、約4〜5時間持続します。性的刺激があって初めて効果を発揮し、自然な勃起を助けるためのサポートとして機能します。

食事の影響を受けやすく、効果の発現が遅れたり、効果が弱まったりすることがあります。したがって、空腹時または軽い食事の後、1~2時間後に服用することが推奨されます。バイアグラは、勃起不全の早期段階で有効性が高く、多くの患者に使用されている歴史のある薬です。

  • レビトラ®(バルデナフィル)

レビトラは、バイアグラと同様に血管拡張作用を持つED治療薬で、服用後約20~30分で効果が現れ、約4〜5時間持続します。レビトラの特徴は、バイアグラよりも速やかに作用が始まり、高い効果を発揮する点です。バイアグラ同様、性的刺激が必要で、刺激がないと効果は発現しません。

 

バイアグラよりも食事の影響を受けにくいと言われていますが、特に脂肪(動物性)の多い食事では効果が減弱すると言われています。また、レビトラはバイアグラに比べ、血中濃度が上りが早く、血圧や心臓への負担があるとされており、循環器系の疾患のある方、65歳以上の方には処方できません。服用に際しては、医師の指導が必要です。

  • シアリス®(タダラフィル)

シアリスは、ED治療薬の中で最も長い持続時間を誇り、服用後1時間で効果が現れ、約3時間でピークとなり、最大36時間持続します。これにより、服用時間をあまり気にせず、自然なタイミングで性的活動を行える点が大きな魅力です。他のED薬同様、性的刺激が必要で、刺激がないと効果は発現しません。

 

ED薬に中で一番食事の影響を受けにくいため、食事のタイミングを気にせずに服用できる利便性があります。また、効果の持続時間が長いため、性行為のタイミングに柔軟に対応できることから、多くの患者に支持されています。ただし、シアリスは他のED治療薬と比べて作用の開始が若干遅いことがあるため、計画的な服用が必要です。 ED薬の効果は個人差が多いため、最終的には医師と相談して決めてください。

ED薬の効果発揮のタイミング(イメージ)(年齢・体重の違いもあり個人差があります)

ED薬の効果発揮のタイミング(イメージ)(年齢・体重の違いもあり個人差があります)

引用:ED薬の各製薬企業の医薬品インタビュ‐フォームから作成

ED治療薬は、血管拡張を促すことで勃起を支援しますが、個々の体質や健康状態に応じた使用が重要です。いずれの場合も、医師と相談し、適切な用法を守って使用することが推奨されます。

ED治療薬を使用する際の注意点
  1. 現在、治療中の方:循環器系治療薬(例:降圧剤、抗不整脈剤、狭心症薬)、排尿障害治療薬等の併用時は注意が必要です。ED薬との併用による相乗効果で急激な血圧低下が生じ危険です。医師に必ず申告ください。
    ⇒降圧剤服用中の方は、ED薬と同時服用で急激な血圧低下が生じる場合があるので、ED薬と降圧剤は最低5~6時間以上十分に空けて服用をお願いします。
    特に、ニトログリセリン系(硝酸剤)服薬中の方、重度の抗不整脈剤(例:アミオダロン塩酸塩(アンカロン)錠)など服薬中の方、ED薬は禁忌です。
  2. ED薬は主に陰茎の動脈拡張作用がありますが、極少量ですが薬剤が上半身に作用し、血行が良くなります。したがって、初めての服用時、「ほてり感」、「鼻閉感(鼻づまり)」、「頭痛・頭重」、「結膜充血」といった症状が出る場合がありますが、一過性です。むしろ、ED薬が作動し始めたポジティブなサインとご理解ください。気にならない程度であれば、問題ありません(頭痛が気になる場合、市販の鎮痛剤の服用もOKです)。
  3. ED薬の服用は24時間、1回1錠としてください。
    他のED薬との併用、短時間の複数錠・大量服用は血圧低下や心不全を招き危険ですので避けてください。
  4. その他、気になる症状が出た場合は、医師に気軽にご相談ください。