Konstantinos Anastassakis著の「Androgenic Alopecia From A to Z」という出版物がある。これは日本語にすると「AGAのいろは」に相当すると思う。2022年出版なので、これまでのAGA治療の原因から治療までの総まとめ的にした成書といえる。
さて、この著書にAGA治療における幹細胞上清液(エクソソーム)の将来を予見する記載がある。「「幹細胞由来のエクソソームには、成長因子、サイトカイン、micRNA(マイクロRNA)、その他の生理活性分子が含まれており、これらが毛包(毛根の周りの構造)の再生を促進することが示されている。(中略)エクソソームは毛包に存在する毛髪の幹細胞を活性化し、毛髪のヘアサイクルを改善する役割を果たしていることが示唆され、幹細胞上清液(エクソソーム)が毛髪の再生能力や成長サイクルを改善させるエビデンスが整い、AGA患者の外見的および心理的な満足度が向上すると思われる・・・(加藤訳)」とし、幹細胞上清液(エクソソーム)におけるAGA単独治療、薬物治療との併用等、新たな治療モデルが期待できるとし、2022年時点で次世代AGA治療をしっかりと見据えている。 下記は自験例で(添付の写真は、院長の加藤の症例写真)、チャンピョンデータではありません。ご覧のようにAGAの標準薬物治療でも改善は顕著であるが、問題は男性機能の低下に加え、経済的負担(1年間にすると約25万円)、さらに服薬中止で、AGA悪夢の再来となり、治療にゴールを見いだせないストレスがある。そこで私自身もエクソソームを計4回受けた(メソガンによるメソセラピー)。結果写真が下記の通り。この間、標準治療のAGA薬は服薬していない。ゆえに費用対効果、時間対効果、副作用対効果の様々な切り口でも、エクソソームのAGA治療に軍配を上げたいと思う次第である。
参照資料:Vol. 2 Drugs, Herbs, Nutrition and Supplements(2022)Springer International publisher)